税理士受験記⑫ 試験勉強と実務は別物

こんにちは。山本庸介です。

今回は新しい科目の勉強と初めての会計業界で仕事を始めたものの、仕事では全く役に立ちません。試験勉強と実務は別物なんだと思い知らされたお話です。

初めての会計業界

緊張しながら税理士事務所での初日を迎えます。約5か月無職で勉強していて、社会とのつながりがないことに精神的な限界を感じていました。働きたい!と心底思って働き始めますが、初めての業界、初めての職場です。ワクワクと緊張が入り混じり、ドキドキしていました。

職場の皆さんはとてもいい人でした。1年で3科目合格するかもしれないやべー奴が入ってくると言った噂話もあったようですが、基本的に暖かく迎えてくれました。

最初の週は所内ルールの説明や研修続きでした。会計ソフトについても初めて説明を受けます。たいして仕事したわけではないですが、アパートに帰るとどっと疲れが出ます。そういえば新卒で入社した時もそんな感じでした。10年以上前のことだった新人に戻ったんだなと思いました。

試験勉強と実務は別物

入社当初は会計ソフトへの入力が主な仕事でした。お客様から預かった大量の領収書やレシートを元に仕訳をどんどん入力していきます。

あれ?全然わからん・・・

仕分けが入力できません。何を入力したらいいのか全く分かりませんでした。
簿記1級、米国公認会計士を取得し、簿記論、財務諸表論、消費税法は合格レベルに達していたと思っていたのにです。

  • 郵便局のレシートの郵送代と収入印紙は勘定科目になにを使えばいいの?
  • コンビニで食べ物を買っているけど?
  • 領収書に金額が書いてあるだけで何を買ったかわからない…

勘定科目に何を使えばいいかわかりませんでした。

更に、

  • 自動車の車検
  • 給与計算
  • 司法書士に対する報酬(源泉徴収あり)

これらは複雑すぎて手が付けられませんでした。試験勉強ではこんな複雑な処理出てきません。

なぜこんなにもできないのだろう…もっとできると思っていたのに…試験勉強でそれなりに上位成績を取ってきていた自信が崩れ去ります。

私なりに出した答えですが、

  • 試験勉強は与えられた問題文中に答えが詰まっている
  • 実務は問題文(証拠書類)を作るところから始まる。
  • 問題文(証拠書類)の種類も多様

というところが試験勉強と違っていました。

顧問先が全ての証拠書類を出してくれているとは限りませんし、手書きの書きなぐったような書類も出てきます。請求書・領収書の記載や文面も多種多様です。試験では固定資産だと明示されていますが、実務では請求書の内訳をみて、金額等を自分で判断しなければなりません。

試験勉強と実務は別物だということを実感しました。

実務を経験してよかった

この頃は業界未経験の中年のおっさんが税理士事務所で働くということの現実を知って、少し戸惑っていました。でもすぐに気持ちを切り替えて、早めに実務を経験できてよかったと自分に言い聞かせました。

もし、税理士試験に専念して5科目取ってから就職したのでは、何もわからない中でいきなり顧問先の担当を持たせられたりしたかもしれません。仕訳入力なんてしなくていいからお客様のところに営業に行って来いとか言われていたかもしれません。周りの職員からも税理士試験合格したけど何も知らないの奴だなと白い目でみられていたかもしれません。仕訳入力ができる時間って、実は貴重かもしれないと思いました。

初めての実務、会計ソフトへの仕訳入力は思うようにならず苦戦しました。将来的には顧問先の担当者となるにせよ、今は会計ソフトへの入力しか仕事がありません。今のうちにたくさんの経験を積もうと思いました。仕事はたくさんあったので、手持ちの仕事を終わらせたら、率先して次の仕事をもらうようにしていました。

顧問先へ訪問すると、経理の方から仕訳の相談を受けることがあります。その時に即答できないようでは格好悪いじゃないですか。顧問先が使っている会計ソフトを直接触ることもありますが、会計ソフトは色んな種類があります。使ったことない会計ソフトであっても、必要な書類は頭に思い浮かぶので、それをどこにあるか探すこともあります。今は自身で仕訳を入力することはほぼありませんが、当時の経験が活きているな、実務を早めに経験していてよかったなと思います。

…つづく

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