税理士受験記⑱ 2年目税理士試験

こんにちは。山本庸介です。
今回は不安とプレッシャーで押しつぶされそうになりながら、がむしゃらに勉強し、税理士試験2年目の試験当日の法人税法と相続税法の試験中の心境について書いていきます。

試験当日の朝

 試験当日の朝になりました。前日は不安だらけでしたが市販の睡眠薬のおかげで睡眠時間だけは確保できました。朝食を食べて、試験会場に向かいます。朝一番の科目が法人税法です。問題に恵まれれば合格できる。可能性はゼロじゃない。やれるだけのことはやったと、こみ上げてくる不安と闘いながら試験直前の時間を過ごしました。気になる論点の最終確認をしようと思っていましたが、不安とプレッシャーを抑えるのに必死で、それどころではありませんでした。

法人税法

試験問題が配られます。試験監督が注意事項を読み上げるので、問題を確認できるまで10分ぐらいあります。頼む!いい問題が出てくれ!注意事項なんて上の空です。聞いちゃいません。

試験問題をめくります。まずは理論。自分が完璧に暗記しているところではありませんでした。外れた…。でも何とか作文しながら書けそうだと思いました。

理論は解かずに、計算問題を確認します。全く分からない論点はありませんでした。理論より先に計算から解くことにしました。一つずつ丁寧に、答えだけなく、その解答に至った思考過程も含めて書くようにしました。採点者さん、私わかってますよ。最終回答が合わなくても中間点を下さいというつもりで解答を埋めていきます。

計算問題については解答を全て埋めることができました。続いて理論です。理論は書ける部分を自分の言葉になってもいいから書き始めようとした時、

手が震え始めます。上手く書けません。気持ちの中で、これ受かるかもしれない…。半ば諦めかけていた2年5科目合格が頭の中にチラつき始めます。相続税法の試験が終わっていないのにです。

解けると思っても試験は時間との勝負です。計算問題を解くスピードは早い方なので、理論を書く時間はしっかり残っていました。でも手の震えが止まりません。深呼吸をして心を落ち着かせようとしても、まだ手が震えます。仕方なく左手で右手の腕をもってゆっくりと書き始めました。

最初はゆっくりと心を落ち着けながら書いていくと、徐々にスピードを上げて書いていくことができました。理論マスターのこの部分だな。頭の中に理論マスターに書かれている項目の配置はぼんやりと思い浮かびます。細かな言葉は思い出せませんでしたが、自分の言葉を交えながら書いていきました。事例問題は結論を合わせることを意識して、そこに至った過程を書いていきました。

時間はあると思っていましたが、時間内に理論の解答を埋めたところでタイムアップでした。

手ごたえ的には8割ぐらいできていると感じていました。税理士試験は相対試験です。問題が簡単だっただけかもしれません。とはいえ、合格可能性あるかも…2年で5科目合格できるかもしれない。苦しい試験勉強から解放されるかもしれない。まだ相続税法の試験が始まっていないのに、そんなことばかり考えていました。

相続税法

少しの休憩時間を挟んで、相続税法の試験が始まります。まだ結果はわからないのに2年合格のチャンスがあることにドキドキしています。今は相続税法の試験問題を解くことに集中しなければ。そんなことわかってます。でも心が落ち着かないのです。1年目に相続税法を受けた時は周りの受験生が強者に見えて気後れしましたが、今年はそうではありませんでした。自分自身との戦いに勝てれば合格できるかもしれない。

元々プレッシャーに強い方ではありません。税理士になりたくて始めた受験勉強。勉強自体は楽しかったです。でもいつしか試験合格という不安とプレッシャーに押しつぶされそうになり、試験直前は試験勉強が嫌になっていました。早く試験日が来てくれ、早くプレッシャーから解放されたいと思ってました。

目の前に転がってきたチャンスに心が動揺したまま、相続税法の試験が始まります。

試験問題を確認します。まずは理論。自分が暗記した範囲です。柱上げも漏れなくできました。絶対書けると確信しました。次に計算問題、一見するとわからない論点はありませんでした。

よしいける!心の中で思いました。すると、また手が震えだします。法人税法の時と同じです。大学受験や過去に受けてきたいくつかの資格試験では手が震えることがありませんでした。それだけ私は税理士試験に真剣に向き合ってきたのだと思います。

左手で右腕を掴みながら理論を書き始めました。重要だと思われる論点から書き出して、細かな論点も書き出しました。時間はどんどん過ぎていきます。しかし手の震えが止まらずスピードは思ったように上がりません。

なんとか理論を書き終えました。この時、試験開始から70分ほど経過しています。まずい残り50分しかない。計算問題を解き始めます。当初思った通り、解けない問題はなさそうです。時間との勝負です。理論に時間がかかりすぎたため、最終税額まで埋めることはできませんでした。

何とかなったのか?それとも試験問題が簡単だったので高得点勝負になるのか?試験が終わった後もフワフワとした気持ちが抜けませんでした。途中で交通事故を起こさないように、落ち着かない気持ちをなんとかしながら帰宅しました。

…つづく

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プロフィール

脱サラして福井県にUターンして税理士に。生まれ故郷の大野市のために何かしたいとお客様のために頑張る人。難しい話を難しくない言葉で喋ります。薬剤師の免許と米国公認会計士の資格あり。数字を見るのが三度の飯と同じぐらい好きなえびす顔。苦手なことはダイエット。

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