ホワイトな税理士事務所の特徴は?見極め方や面接で確認したいことを解説

税理士の業務内容は多岐にわたるので、ホワイトな税理士事務所なんて無いと思うかもしれません。しかし、ワークライフバランスが取りやすく、試験勉強と両立が可能な事務所もあります。

本記事では、ホワイトな税理士事務所の特徴や選ぶポイントを解説します。面接で確認したいことも紹介するので、働きやすい職場を探している方は参考にしてください。

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ホワイトな税理士事務所の特徴

ホワイトな税理士事務所の特徴を6つ紹介します。理由とともに解説するので、ホワイトな事務所を探したい方はチェックしてください。

税理士が複数名いる

税理士が複数人いると、業務を分担できるので一人当たりの負担は少なくなるでしょう。しかし、スタッフの総数に対し資格者があまりにも少ない場合は、激務が原因ですぐに辞めているかもしれません。税理士が所長を除いて一人もいない場合は、資格保有者の負担が大きくなるのは容易に想像できます。

もちろん事務所の人数にもよりますが、スタッフの数が30名を超えているにもかかわらず、有資格者が1~2名の場合は注意すべきです。離職率が高くなれば、誰でもよいからと未経験者でも採用している可能性があります。

有資格者の情報を公式サイトに掲載する事務所も多いので、応募する前に税理士資格者と無資格のスタッフのバランスを確認しておきましょう。ただし、収入アップを目指して税理士登録をしたらすぐに独立する税理士もいます。ブラックだからと決めつけずに、面接で聞いてみるのがおすすめです。

科目合格者がいる

事務所内に科目合格者がいない場合は、試験勉強と両立ができず辞めているかもしれません。働きながら合格を目指せるかの判断基準にもなるので、科目合格者がいるかは重要なポイントです。

税理士試験の合格を目指しながら働く人も多いので、事務所側も勉強と両立ができるならばアピールします。訴求していない、もしくは科目合格者がいない事務所は、両立ができないほど忙しいのかもしれません。

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残業時間・休日出勤が少ない

税理士業界は主に12月~5月が繁忙期ですが、6月~11月は業務量が落ち着くので残業になることは少ないです。繁忙期の残業は仕方ありませんが、閑散期でも長時間の残業が発生してる事務所は注意が必要です。

繁忙期でも一向に長時間残業が改善されない事務所は、過重労働を容認していると捉えられても仕方ありません。なかには終電ギリギリに退勤できたり、そのまま寝泊りしたりする事務所もあるようです。

また、求人票に残業が少ないと書かれていても、閑散期のみを指している可能性があります。求人の情報だけを鵜呑みにしないようにしましょう。

女性が活躍している

女性があまりにも少ない場合は産休・育休をはじめとした福利厚生が整っていないと推測できます。女性が所属していてもパート勤務であれば、正社員として働きにくい事務所かもしれません。事務所の公式サイトに掲載されているスタッフ紹介や写真から、女性の比率を確認するとよいでしょう。

ただし、税理士自体は男性比率が高いため、その点は考慮する必要があります。日本税理士会連合会が発表した学生向けパンフレット「税理士って?一生の仕事を探すなら」によると、平成30年の税理士の男女比率は男性が85.2%、女性が14.8%です。

スタッフに偏りがない

男女比が大きく偏っている場合は、性別によっては居心地が悪い職場かもしれません。異性ばかりでは働きにくさを感じる人もでしょう。

また、事務所を設立してから年数が経っているにもかかわらず、平均年齢が極端に若い場合も要注意です。長く働けず、人の入れ替わりが激しいと予想できます。

たとえば、50~60代のスタッフは所長一人で、残りは20代のみで構成されているケースが当てはまります。30~40代の職員がいない場合は、ある程度経験を積んで他の事務所に転職しているかもしれません。

もちろんキャリアアップのための転職や、独立している場合もあるので判断材料の一つにしてください。

夜間は電気が消えている

夜間は電気が消えているかを直接見に行くのが、もっとも確実でしょう。営業時間外に事務所に電話をかけて確認する方法もありますが、自動応答サービスでつながらない設定にできるので正確な情報とはいえません。

繁忙期は夜間に電気がついていても仕方がない部分はあります。しかし、閑散期でも夜遅くまで電気が点いていると、深夜残業が横行している確率は非常に高いでしょう。事務所が家から近い場合は、見に行ってみることをおすすめします。

ホワイトな税理士事務所を選ぶポイントは?

ホワイトな税理士事務所を選ぶポイントは以下のとおりです。理由とともにそれぞれ解説します。

  • 常に求人が掲載されている事務所は避ける
  • 口コミサイトを確認する
  • 離職率をチェックする
  • 採用サイトを確認する
  • 転職エージェントを活用する

常に求人が掲載されている事務所は避ける

転職サイトに求人を掲載する際は、事務所側が広告費を負担しなければいけません。にもかかわらず、求人を掲載し続ける理由は、常に人が足りない状態だからでしょう。もしくは、人を採用してもすぐに辞めてしまうので、再度募集をかけているのかもしれません。

もちろん業務拡大や繁忙期に向けた人員補充など、業務の都合で募集するケースもあります。日ごろから求人をチェックしておき、頻繁に掲載されている事務所は避けるのが無難です。

口コミサイトを確認する

口コミサイトで事務所名を入力し、インターネットで確認するのも一つの方法です。もしくは、「〇〇(事務所名)評判」、「〇〇(事務所名)残業」などで検索しても情報がヒットするかもしれません。小さな事務所では検索しても情報が出てこない場合もあるので、SNSで口コミを探すのもおすすめです。

ただ、口コミサイトに悪い評判をわざわざ書くのは、憂さ晴らしや不満を解消する目的も考えられるので鵜呑みにするのは危険です。悪い評判があまりにも多い場合は、応募を検討する程度に活用するとよいでしょう。

離職率をチェックする

あまりにも離職率が高い事務所はホワイトとは言い難いです。応募したい事務所が大手求人サイトに掲載されていたら、必ず離職率を確認しましょう。

ただし、入社後数ヶ月や1年以内の短期離職は、労働条件よりもただ単に合わなかった可能性も考えられます。情報発信を積極的に行う税理士事務所も増えてきたので、自分の望む働き方ができそうか事前に調べてから応募するのがよいでしょう。

採用サイトを確認する

求人サイトだけではなく、事務所の公式サイトに掲載されている採用情報も確認しておきましょう。多くの事務所では、採用サイトに以下の情報を載せています。

  • 代表挨拶
  • 求める人物像
  • 事務所のコンセプト
  • 経営理念
  • 業務内容・待遇

事務所側が採用情報を用意する理由の一つに、応募者とのミスマッチを防ぐ目的があります。業務内容や待遇だけで応募してしまうと、雰囲気や考え方が合わずすぐに辞めたいと思うかもしれません。

ホワイトかブラックかは人によって感じ方が異なります。その仕事が好きかどうか、事務所のカルチャーと自身のやりたいことがマッチしていれば、働きやすい職場に出会える確率も高まります。

コンセプトや理念、スタッフ紹介など、すみずみまでチェックするのがおすすめです。

転職エージェントを活用する

転職エージェントを利用すると、担当者が転職への希望条件やこれまでの経歴をヒアリングし、あなたにマッチする企業・事務所を紹介してくれます。

また、税理士業界に精通しているアドバイザーから、内部情報を教えてもらえるかもしれません。とくに中堅以下の企業・事務所であればインターネットからの情報も限られるので、活用するとよいでしょう。

転職活動の負担を軽減できる点もメリットです。面接日程の調整や応募書類の添削をしてもらえるので、試験勉強で忙しい方にもおすすめです。

ホワイトな税理士事務所か判断するために面接・求人票で確認したいこと

インターネットの情報だけでは見えないこともあります。とくに、所長の人柄や求人票の細かい内容は、面接で確認するのが手っ取り早いです。ホワイトな税理士事務所かどうか判断するためにチェックしたいことを紹介します。

所長の性格・人柄

人間関係が原因で退職を考える人も少なくありません。所長の性格がキツイ・横暴な事務所は、人が定着しない要因の一つです。小さな事務所ほど所長の権限が強くなりがちのため、言動に振り回されたりストレスを感じたりするかもしれません。

面接では、一緒に長く働けそうかを確認しておくことが重要です。人を見下す発言がある、話に一貫性が無いなど人柄に違和感を感じた場合はどれだけ条件がよくても、慎重に検討すべきです。

給与・ボーナス

税理士の収入の目安として、未経験者であれば250万円~300万円前後、税理士資格を持っていれば未経験でも400万円以上が相場です。給与が低ければモチベーションの低下にもつながるので、大切なポイントです。

ただし、月収だけで判断するのは得策とはいえません。月収が少なくても手当やボーナスが用意されており、結果的に年収が上回るケースも少なくありません。総合的に判断して選びましょう。

繁忙期の残業時間

求人票に「繁忙期は残業が発生」としか記載されておらず、実際の残業時間や休日出勤の有無まで記載しているケースは少ないでしょう。面接で具体的な時間数を確認するのも一つの方法です。

ただし、採用担当者のなかには残業時間について聞かれるのを好まない人もいます。介護や育児などの事情があれば構わないですが、条件で決めていると思われないように注意したいところです。

もしくは、最初から勤務時間・残業時間をきちんと明記している事務所に絞ってもよいでしょう。

【関連記事】
税理士の繁忙期はいつ?業務内容やスケジュール例を紹介

みなし残業

たとえば、みなし残業が月に40時間の場合は、残業時間が40時間を超えなくても一定の残業代が支給されます。もしも残業時間が40時間を超えたときは、超過分が別途支給されます。

しかし「残業代を支払っているから時間内であれば問題ない」と、制度を利用して日ごろから残業が発生している事務所もあるでしょう。また、超過分がきちんと支払われているかも不明です。

もちろん、みなし残業を導入している事務所がすべてブラックなわけではありません。ただ、結果的に勤務時間が長くなり時給に換算すると低いケースもあるので、注意したい点の一つです。

未経験者のサポート体制

教育制度が整っているかどうか、未経験者でもどのようにサポートしてもらえるか確認するとよいでしょう。未経験で入った場合、放置されると誰でも成長はできません。

求人に「未経験OK」と記載されている会社は、これから経験を積みたい求職者にとっては心強く感じます。ただし、人がすぐに辞めていくので誰でもいいから採用している危険もあります。

未経験から入社して、今でも活躍している先輩がいるか面接で聞いてみるのもおすすめです。

試験前休暇制度の有無

試験前休暇制度が導入されており、税理士試験の資格取得を支援している事務所はホワイトな可能性が高いでしょう。税理士試験には理解のある事務所も多く、勉強と両立できる職場であればアピールする事務所がほとんどです。

労働時間が長い事務所だと試験勉強との両立が難しく、試験直前まで業務を優先させられるかもしれません。また、科目合格者がいない場合は、試験勉強を捻出できずに辞めている可能性もあります。

普段から余裕を持って働ける事務所であれば、試験勉強の時間も増やせます。働きながら税理士試験合格を目指す方は、事務所選びが重要です。実際に試験勉強と両立しながら働いているスタッフがいるか、面接で聞いてみましょう。

ホワイトな税理士事務所の傾向を知ろう

ホワイトな税理士事務所の特徴として、有資格者・科目合格者が在籍している、スタッフに偏りがない点などを紹介しました。また、口コミサイトやSNSで応募したい事務所の評判を確認するのも方法の一つです。

しかし、人によってホワイト・ブラックの基準はさまざまです。自分の求めていることと事務所の方向性が合っていれば、働きやすいと感じる人も多いでしょう。公式サイトや採用情報を事前に調べて、自分の望む働き方が実現できそうな事務所に応募するのがおすすめです。

ウィズ総合事務所グループは税理士・社労士等の士業資格や簿記等の経理系の資格取得を目指している方を積極的に採用しています。

当事務所では資格取得に向けて全国でもトップクラスの支援制度を設けています。

一定の要件はありますが、教材費は事業者が全額負担しますし、最大2ヶ月間試験勉強に専念できる制度があります。
また、平常時においても1日6時間、週30時間を標準勤務時間としており、勉強、家庭、仕事のバランスがとりやすいように配慮しています。

働きながら勉強することは資格勉強にも相乗効果を生みます。

働きながら資格の取得を目指したい方は、ぜひウィズ総合事務所グループの採用の詳細をご確認いただき、よろしければご応募ください。

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この記事の監修者

ウィズ総合事務所グループ統括代表 山本庸介

  • 大阪大学薬学部、同大学院薬学研究科卒業
  • 慶応大学経済学部卒業(通信教育課程)
  • 大手製薬会社に勤務後、税理士を志す
  • 2021年7月に大野市で山本総合会計事務所を開業
  • 2023年9月に税理士法人ウィズ総合事務所を設立

税理士試験に2年で5科目合格(簿財消相法)。開業2年でグループ売上1億円に達する。

従業員が資格を取得しやすい制度・環境を構築し、本事務所を運営。事業者のお客様に対しては、本業に集中できるよう、「事務代行屋」として支援を行う。

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